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グラフツールの利用

■グラフツールの利用

 グラフツールを利用して、画像上の任意の線分上の「位置-カウント値」グラフを表示できます。スペクトル画像の場合、「物理量-カウント値」のグラフを表示します。グラフは、プレーンテキスト形式、もしくはCSV形式のテキストデータとして出力することができ、表計算ソフトなどで読み込ませることができます。

▽使い方  まずはツールバーの[グラフ]ボタンを左クリックし(またはデータ処理メニューでグラフを選択して)、グラフツールを使える状態([グラフ]ボタンがへこんだ状態)にします。このとき、グラフダイアログが表示されます。

 その状態で画像ウィンドウ上を左ドラッグすると、描画範囲を示すシアンの線分が画像ウィンドウ上に表示され、左ボタンを離すとグラフダイアログにグラフが描画されます。通常の画像の場合は縦軸がカウント値、横軸が始点からのピクセル距離のグラフが描画され、スペクトル画像の場合は縦軸がカウント値、横軸が物理量のグラフが描画されます。

 続けて画像ウィンドウを左ドラッグし、左ボタンを離すと、画像ウィンドウ上に新しい線分(シアン)が引かれるとともに、グラフダイアログのグラフが新しくドラッグした範囲のものに更新されます。古い線分はグレー表示になります。

 [Shift]キーを押しながら画像ウィンドウ上を左ドラッグすると、分散軸方向に平行な矩形で範囲を指定できます。この場合、グラフの描画方向は分散軸方向に一致し、カウント値は指定した範囲の分散軸に直行する方向の平均値となります。この機能を利用すると、S/Nの良くないスペクトル画像からS/Nの良いグラフを得ることができます。

 [Ctrl]キーを押しながら画像ウィンドウ上のグレー表示されている線分をクリックすることで、グラフダイアログの表示をクリックした線分上のものに切りかえることができます。

 グラフダイアログ上のコントロールを用いて、グラフの表示を調整したり、グラフを印刷したり、グラフをテキストファイルに出力することができます。

 グラフの描画範囲を示す線分を非表示にするには、画像調整バーの[マークの非表示...]ボタンを左クリックし、「非表示にするマーク」で「グラフ」を選択します。また、グラフの描画を示す線分を表示したい場合には、グラフダイアログのマークの[全表示]ボタンを左クリックします。

 グラフの描画範囲を示す線分を消去したい場合は、グラフダイアログのマークの[消去]ボタンを左クリックします。

 グラフ、開口測光、矩形測光、位置測定ダイアログを一時的に非表示にしたい場合は、F3キーを押すことで非表示にできます。再度、ダイアログを表示させたい場合は、F4キーを押すと表示されます。 また、ステータスバーの「データ処理表示」という項には、これらのダイアログが表示(ON)/非表示(OFF)であることを示します。 (ONに「*」が付くときは、非表示状態のダイアログがあることを示します。この状態で、F4キーを押すとグラフ、開口測光、矩形測光、位置測定ダイアログが表示され、F3キーを押すとこれらのダイアログが非表示になります。)

▽グラフダイアログ

情報表示部

 グラフダイアログ上部にあり、グラフ選択範囲の情報を表示します。
 [X] 下記のグラフ表示部で選択されたポイントの画像上のX座標です。
 [Y] 下記のグラフ表示部で選択されたポイントの画像上のY座標です。
 [カウント値] 下記のグラフ表示部で選択されたポイントの画像上のカウント値(明るさ)です。
 [座標及びスペクトル情報表示部] FITSヘッダーにWCSなどの座標及びスペクトル情報がある場合、対応する座標及びスペクトル情報が表示されます。WCSなどの座標及びスペクトル情報が無い場合は空欄となります。
 [グラフ選択範囲] 画像上のグラフ選択範囲を表示します。また、数値を入力することで選択範囲を変更することができます。選択範囲は、線分の場合: [ 線分の始点(X, Y) ] − [ 線分の終点(X, Y) ]、矩形範囲の場合: [ Xの選択範囲 ] , [ Yの選択範囲 ]です。
 [始点からの距離] 下記のグラフ表示部で選択されたポイントの、画像上の距離です。

グラフ表示部

 グラフ表示部の左側上下端にある数値は、縦軸の表示範囲を示します。グラフ上の水平破線は、表示レベル値を表します。  グラフ表示部を左クリックまたは左ドラッグすると、グラフ表示部に紫色の縦線が引かれ、ダイアログ上部の情報表示部にその場所に対応する画像上のピクセル位置と、その場所のカウント値、始点からの距離が表示されます。スペクトル画像の場合、波長も表示されます。また、画像ウィンドウには対応位置を示す十字マークが表示されます。

[水平倍率]エディットボックスとスピンボタン

 グラフの水平倍率を調整します。倍率を 1.0 にすると、画像上のピクセル距離とグラフの水平ピクセル距離が一致します。

[対数]チェックボックス  チェックすると、縦軸のスケールが対数になります。

[すべて表示]チェックボックス  チェックすると、その画像のすべてのグラフを表示します。

[別画像のグラフ表示]チェックボックス  チェックすると、開いているすべての画像のグラフを表示します。

[縦軸]リスト  「カラー画像」の時にのみ選択できます。  「カラー画像」の場合、グラフに表示をプレーンを選択します。
 [R,G,B] R,G,B各プレーンをグラフの表示します。
 [輝度] 輝度に変換したものを表示します。
 [R] 赤のプレーンのみを表示します。
 [G] 緑のプレーンのみを表示します。
 [B] 青のプレーンのみを表示します。

[スケール設定...]ボタン  「スケール設定ダイアログ」により、グラフの横軸と縦軸のスケールを調整することができます。

[マーク]  「非表示」ボタン:グラフのマークを非表示にします。  「全表示」ボタン:グラフのマークをすべて表示します。  「消去」ボタン:グラフのマークをすべて消去します。

[印刷]ボタン  グラフをプリンターで印刷します。  「印刷」ダイアログが表示されますので、出力先のプリンタや用紙サイズを設定後、 [OK]ボタンを左クリックして印刷を実行してください。  グラフは、用紙サイズに応じて自動的にサイズ調整されて印刷されます。また、始点座標や終点座標などのデータも同時に印刷されます。

[テキスト出力]ボタン  グラフをプレーンテキスト形式(*.txt)、もしくはCSV形式(*.csv)のテキストファイルとして出力します。「名前を付けて保存」ダイアログが表示されるので、ファイル名と出力形式を設定後、[保存]ボタンを左クリックして保存します。  保存フォーマットは次の通りです。

 ・グレースケール画像の場合
  《X座標, Y座標, カウント値》
 ・「カラー画像」の場合
  《X座標, Y座標, R値, G値, B値》
 ・スペクトル画像の場合
  《X座標, Y座標, 物理量[単位], カウント値》

 プレーンテキスト形式ではスペース区切り、CSV形式ではカンマ区切りで出力されます。

[分散軸変更]ボタン  グラフの描画範囲を矩形で指定している場合に、このボタンを押すとグラフの分散軸を一時的に変更できます。現在の分散軸が画像のX軸方向ならY軸方向に、Y軸方向ならX軸方向に変更されます。

[▲]ボタン  ▲の状態でボタンを押すと、情報表示部や[マーク]、[印刷]などのインターフェイスを非表示にすることができます。また、▼の状態でボタンを押すとインターフェイスを表示することができます。

▽ダイアログの説明−[スケール設定]

[横軸スケール]
 [自動]ラジオボタン:グラフ表示範囲の線分上の最大値・最小値を自動検出し、横軸の表示範囲として設定します。
 [固定]ラジオボタン:横軸の表示範囲を任意指定します。このラジオボタンの下部のエディットボックスで指定してください。

[縦軸スケール]
 [自動]ラジオボタン:グラフ表示範囲の線分上の最大値・最小値を自動検出し、縦軸の表示範囲として設定します。
 [レベル調整の範囲]ラジオボタン:表示レベル値を縦軸の表示範囲として設定します。
 [固定]ラジオボタン:横軸の表示範囲を任意指定します。このラジオボタンの下部のエディットボックスで指定してください。
 [対数]チェックボックス:チェックすると、縦軸のスケールが対数になります。

▼ワンポイント  グラフウィンドウなどを最小化した場合、ツールバー等を操作するには再度画像ウィンドウをクリックするなどして画像ウィンドウをアクティブにして下さい。

▼ワンポイント  ここでの分散軸の変更はFITSデータの保存時には保存されません。  分散軸の変更をFITSヘッダに保存したい場合には、[画像情報]メニュー [FITSヘッダー...]の[分散軸パラメータの設定...]を実行して下さい。